ふしぎな鈴9
「そうそう、小桜姫さまはね、…
ふしぎな鈴を…もっているですって」
「ふしぎな鈴って…どんな鈴なの?」
「その鈴はね、桜の花びらの…鈴でね」
「みんな聞いた?
桜の花びらの鈴…ですって」
「その鈴を…靜かにリーン・リーン・
リーン…と何回かふると、私たちのよ
うな花や小鳥と…お話することができ
るんですって」
「それ、本当なの?」
「本当よ。私…あるかたから…聞いた
のだから。
でもね、…本当にやさしい心を持って
いる時しか…話ができないそうよ」
「私たちも…一度…小桜姫さまと…お
話がしたいわね」
とぎれとぎれでしたが、桜の花がこん
なおしゃべりをしていたのです。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20081117#p1
「ふしぎな鈴」は、みほようこの
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。
リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。
http://www.bk1.jp/product/02593627
「鳥影社」へ直接注文することも
できます。
送料は無料です。