母の短歌43


かへりくる言葉は少し間のあれど

   ペルーの汝の声受話器に近し



赤彦の「家ひくくして道広し」の額

   かかげある店に木曾土産買ふ



この冬のきびしき寒さに凍み枯れて

   月桂樹の葉風に鳴りをり



無人化となりたる駅に牛乳瓶の

   水仙の花に心和み待つ