女神さまからのおくりもの29
「その話、とうちゃんから聞いた
ことがある。
ふくちゃんは、守屋山へ福寿草の
花をとりに行って、なくなったん
でしょ」
「そうなんだ。ふくちゃんは、み
んなが留守の間に、一人で守屋山
へ福寿草の花をとりに行き、道に
まよってしまったんだ。
運悪く、その日雪が降ってね、ふく
ちゃんは凍り死んでしまった」
「かわいそうなふくちゃん」
「一人きりのこどもをなくした長
者と奥さまは、気の毒なほどがっ
かりしていた。
かあちゃんも、しばらく元気がな
かった。おらもつらかった」
清太は、ふくのことを思い出し、
涙が出そうになりました。
「おらをさそってくれたら、あん
な悲しい事故はおきなかったのに。
ふくちゃんは、なぜ一人で守屋山へ
行ったのだろうか」
清太は、今でもふくの気持がわか
りません。
つづく
昨日の分は、こちら
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090226#p1
初めて読んでくださった人へ
女神さまからのおくりもの1