有明山に住む鬼・八面大王30
さくは、あやを娘のようにかわい
がりました。
あやも、さくを母のようにしたっ
ています。
二人は、ほんとうの母と娘のよう
にみえました。
一月二十日。
長く降り続いた雪が、やっとやみ
ました。
「雪がやんだので、これでおいと
まします。
長い間、本当にお世話になりました。
ここでの生活、とても楽しかった
です。ありがとうございました」
あやが、弥助とさくにお礼をいい
ました。
「雪はやんだが、雪が二メートル
以上積もっている。
こんなに積もっていては、あやさ
んの足では無理じゃ。
雪がとけるまで、ゆっくりしてい
きなさい」
さくが、あやにいいました。
つづく
昨日の分は、こちら
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090922#p1
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