福寿草になった少女


   福寿草になった少女3


「わしらにも、元気なこどもがほ
しいのぅ」
こどもたちをみるたびに、二人は
そう思います。



「長者さまも奥さまも、あんなに
こどもが好きなのに、なぜこども
が授からないのじゃろ。
早くこどもが授かると良いのぅ」
長者夫婦は、こどもたちだけでなく、
村の人々からもしたわれていました。



「私たちには、もうこどもが授から
ないのかしら」
「いや、そんなことはない。
二人で一心にお願いすれば、明神さ
まが元気なこどもを授けてくださる
にちがいない」



二人は、いつかこどもが授かると信
じ、毎日明神さまに、こどものこと
をお願いしていました。
しかし、何年たっても、こどもは授
かりませんでした。

 
           つづく



   昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100127#p1



 初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100126#p1




童話「福寿草になった少女」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜神
になった三郎」に、収録されています。

信州諏訪の「風の神様」から聞いた話。