風の神様からのおくりもの14
まゆのひとみをみたおかあさんは、
はっとしました。
いつもきらきら輝いているまゆの
ひとみが、とても暗かったのです。
こんな暗いまゆのひとみをみたの
は、初めてでした。
「まゆ、ショックだったのね」
おかあさんは、まゆをぎゅっと胸
にだきしめました。
「まゆ、心配しなくても大丈夫だよ。
医者はああいったけれど、まゆはき
っといつか・・・きっといつか、歩け
るようになるからね。
まゆ、元気をだすのだよ」
おかあさんは、まゆにやさしく話し
かけました。
その夜、おとうさんとおかあさんは、
まゆのことについて話し合いました。
二人はまゆに、これからもできる限
り、やさしいことばをかけようと決
めたのです。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100519#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100507#p1
「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこの初めての童話集・
「風の神様からのおくりもの」に
収録されています。
心を病む兄のために、明神様にお参
りする心優しい少女の話など4編。
信州諏訪の「風の神様」から聞いた
お話。
挿絵は長野博一先生。
心温まる創作童話。
童話集「風の神様からのおくりもの」