かきつばたになった少女


 かきつばたになった少女20


山彦がはっと気がついた時、かき
つばたの姿は消えていました。
「かきつばたさんはどこへ行って
しまったのだろう?」



びっくりした山彦は、「かきつば
たさーん、かきつばたさーん」と
さけびながら、広い高原をさがし
まわりました。
しかし、かきつばたはどこにもい
ませんでした。



一方、女神さまたちが住んでいる
村では、夜になってもかきつばた
が帰ってこないので、大さわぎに
なりました。



かきつばたのおとうさんもおかあ
さんも、かきつばたのことを心配
して、あちこちさがしまわりました。
女神さまたちも、てわけしてかき
つばたをさがしました。
しかし、かきつばたをみつけるこ
とはできませんでした。


            つづく



   前回の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100717#p2



   初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100627#p2



「かきつばたになった少女」は、
信州の霧ケ峰高原にある八島湿原
に咲いているかきつばたの話。
信州諏訪の「風の神様」から聞
いた話。



「かきつばたになった少女」は、
みほようこの四冊目の童話集
「ライオンめざめる」に、収録
されています。



童話集「ライオンめざめる」は、
2006年10月、「鳥影社」
から発行されました。





  童話集「ライオンめざめる」


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu4.html