古事記神話「古事記物語」


    赤い猪 4


神産巣日神は、蚶貝比売(きさがい
ひめ)・蛤貝比売(うむがいひめ)
と名のついた赤貝と蛤を呼び、下界
へ送りました。
二人は、蘇生の特殊能力を持ってい
る女神でした。



二人が下界へつくと、大国主命はま
っ黒こげになって倒れていました。
すでに息はありません。



赤貝は自分の殻をけずり、それを焼
いて黒い粉をつくりました。
蛤は体液を出し、その黒い粉をこね
ました。
薬ができると、二人は「大国主命
生き返りますように」と祈りながら、
大国主命の体に薬をぬりました。


        つづく