海彦山彦


   豊玉比売 7


山彦のため息を聞いた豊玉比売は、
どうしたのだろうと心配しました。
豊玉比売は、海の神に相談しました。



「父上。山彦さまは、ここへきて
三年になりますが、ため息などつ
いたことは一度もありません。そ
れなのに、昨晩は大きなため息を
ついていました。なにか心配ごと
でもあるのでしょうか」


海の神は、山彦にたずねました。
「昨晩、大きなため息をついてい
たと、娘が心配しています。何か
心配ごとでもあるのか」


         つづく