2017-11-23 火とぼし山 童話 湖の氷の上を歩く娘 7 「私、一分でも早く、次郎さんに 会いたかったから」 「きよちゃん。湖の氷は、まだ薄 い。氷が割れたら、どうするの。 こんな寒い夜、湖に落ちたら死 んでしまうよ。たのむから、危険 なことはしないでね」 次郎は、きよのことが心配でした。 「次郎さん。はい、お酒」 「お酒?」 「寒いから、次郎さんに飲んでも らおうと思って、持ってきたの」 きよは、小さなとっくりを、次郎に わたしました。 つづく