火とぼし山


  湖の氷の上を歩く娘 6


無事に湖をわたりおえた娘は、山
に向かって歩き始めました。
娘は、急な道をどんどん歩いてい
きます。
「なんて足の早い娘だろう」
明神さまは、小声でつぶやきました。



「次郎さん、こんばんは」
「きよちゃん。今夜は、ずいぶん
早かったね」
「湖の氷の上を歩いてきたの」
「えっ、氷の上を?」
次郎が驚いて聞きました。


        つづく