女神さまからのおくりもの

[童話]女神さまからのおくりもの


女神さまからのおくりもの 35


第三章 座禅草が咲いている高原で 8


「それはそうだけれど・・・。おら、この
家に世話になった時から、おじょうさま
ってよんでいるし。急にそういわれてもね」
「私、清太さんのこと、うちの使用人だな
んて思ったことは、一度もないわ。清太さ
んのこと、本当の兄ちゃんだと思っている」


「おじょうさまの気持はうれしいけれど、お
らはこの家の使用人だから」
貧しい家に育った清太は、さみしそうにいい
ました。
「おらも、おじょうさまのこと、本当の妹だ
と思っている。いや、それ以上かな」
清太は、心の中でそっとつぶやきました。


       つづく