女神さまからのおくりもの

[童話]女神さまからのおくりもの


女神さまからのおくりもの 78


ゆうすげの花咲く高原で 29


「最後の花びらが開くわ」
きよが、笑顔でいいました。
夕やみの中で、ゆうすげの花だけが、
くっきりうかびあがってみえます。
「ゆうすげの花って、すてきね」
清太には、きよが、ゆうすげの精の
ように見えました。


おらは、きよちゃんが大好き。でも、
きよちゃんは、庄屋のおじょうさま。
おらは、庄屋の家の使用人。どんな
にきよちゃんが好きでも、きよちゃ
んと結婚することはできない。
清太は、自分の心にそういいきかせ
ました。


      つづく