女神さまからのおくりもの

[童話]女神さまからのおくりもの


女神さまからのおくりもの 42


第三章 座禅草が咲いている高原で 15


「長者の家って?」
「守屋山のふもとにある朝日長者の家だよ」
「その家なら、私知っている。あそこのお
じさんととうちゃんは、友だちなの」


「そうだってね。おらを、きよちゃんの家
に世話をしてくれたのは、朝日長者なんだ。
佐久の庄屋さまはいいかただから、あそこ
へ行っていろいろ勉強しておいでといわれた」
「そんな縁で、清太さんはわが家へきてく
れたのね。あの家に、ふくちゃんという女
の子がいたでしょ」


        つづく