女神さまからのおくりもの

[童話]女神さまからのおくりもの


女神さまからのおくりもの 74


ゆうすげの花咲く高原で 25


「おらは、きよちゃんが大好きだ。
次郎さんにも、誰にも、きよちゃん
を渡したくない。きよちゃんは、お
らのものだ」
清太は、心の中で強くさけびました。


おらが家柄のいい家に生まれていた
ら、おらの家が裕福だったら、きよ
ちゃんが大好きだよといえるのに。
おらの家は、貧しい。食べていくの
が、精一杯だ。
だから、庄屋のおじょうさまとして、
何不自由なく育ったきよちゃんを、幸
せにしてあげることができない。


      つづく