火とぼし山


   新しい出発 31


すると、
「きよ、静岡へついたかな。お
まえはこれからそこで暮らすの
じゃ。わしの友だちのばあさん
と一緒にな。きよ、記憶がもど
ったら、いつでも諏訪へもどっ
ておいで。待っているぞ」
どこからか、明神さまの声が聞
こえてきました。



「きよ、こっちの方角が、諏訪
だよ。さみしくなったら、足長
とよんでください。すぐとんで
きますから」


      つづく