火とぼし山


   新しい出発 9


「わかった。でも、手長、くれぐ
れも気をつけておくれ」
足長が、心配していいました。
足長は手長を背負い、ごぉーと
音をたてているうずのまわりを、
ゆっくり歩きました。



「明神さま。これからうずのま
わりを歩きます。どうかわしら
をしっかりお守りください」
手長と足長は、心の中で明神
さまにお願いしました。
「よし、わかった。手長、足長。
きよのことをたのんだぞ」
どこからか、明神さまの声が聞
こえてきました。


       つづく