女神さまからのおくりもの

[童話]女神さまからのおくりもの


女神さまからのおくりもの 118


第六章 清太、山の中の湖へ 17


「あっ、この声、前に聞いたことがある。
そうだ。この声は、白駒がどこかへ出か
けた時に聞いた声とそっくりだ」
「清太、こっちですよー」
清太は、声のする方に向かって、どんど
ん歩いて行きました。


その日の夕方。
「とうちゃん。清太さんが、まだ帰って
こないの。清太さんは、今日どこへ行っ
たの」
「清太は、用事があり、遠くの村へ行っ
た。用事がすめば帰ってくる。だから、
配しなくても、だいじょうぶだよ」
吉衛門は、苦しまぎれにそういいました。


       つづく