火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 44


第五章 次郎の見合い 4


「ことわったけれど、どうしても姪と会っ
てほしいというんだ」
「次郎さんは、その人と会うつもりなの」
「いや、会うつもりはない。おらには、き
よちゃんという大事な人がいる。 だから、
会うつもりはない」
次郎は、きっぱりいいました。


きよは次郎の気持を聞き、安心しました。
でも、次郎さんは、はっきりいやといえな
い人だから、ことわりきれずにその人と見
合いをするのだろうなと、きよは思いました。


        つづく