火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 34


第四章 一ヶ月に一度の出会い 6


すると、
「きよちゃん。実は、おれ・・・」
次郎が、いいにくそうに話を始めました。
「次郎さん。どうしたの」
「実は、きよちゃんと」
次郎さんて、ほんとにじれったい人ね。いい
たいことがあれば、はっきりいえばいいのに
と、きよは思いました。


「きよちゃんと会っていることが、主人にば
れてしまったんだ。だから、しばらくきよち
ゃんとは会えない」
「どうして、私たちが会っていることが、わ
かったの」
「おれ、きよちゃんと会う日には、家に用事
があるといって、ここへきていたんだ」


         つづく