[童話]火とぼし山
火とぼし山 33
第四章 一ヶ月に一度の出会い 5
何に対する不安なのか、次郎にもわかり
ませんでした。
次郎は、きよのそばにいると、ほっとし
ます。
そして、心がなごみました。
「きよちゃんて、ふしぎな人だな」
次郎は、きよと会うたびにそう思います。
次の朝。
「次郎さん。今度は、いつ会えるの」
きよが聞きました。
「今、野良の仕事が忙しい。だから、今
度会うのは、一カ月後かな」
「一カ月後?」
「そう、一カ月後」
「一カ月も、次郎さんに会えないの。そんな
のいや。私、毎晩でも次郎さんに会いたい」
きよは、自分の気持を伝えました。
つづく