火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 46


第五章 次郎の見合い 6


次郎さんたら、一カ月ぶりに会ったというのに、
見合いの話などして、どういうつもりなのかし
ら。いやな次郎さん。
でも、次郎さんがこっそり見合いをしたら、そ
れもいやだろうなと思いました。


私は、小さな時から、次郎さんが大好きだった。
そして、今も大好き。
でも、次郎さんは、どうだったのだろう。
私のほかにも、好きな人がいたのではないだろ
うかと、きよは思いました。


一ヶ月後。
きよと次郎は、再び会いました。
「次郎さん。姪の人と見合いをしたの」
きよが、さりげなく聞きました。


         つづく