火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 93


新しい出発 22


「私を、淵から助けてくれたかたですね。その
節は、大変お世話になりました。助けていただ
きありがとうございました」
きよは、手長と足長にお礼をいいました。


「きよ。ここは、静岡じゃ」
「静岡?」
「そう、静岡じゃ。きよは、これからここで暮
らすのじゃ。このおばあさんと一緒にな」
足長がいいました。
「おばあさんと」
「そうじゃ。このおばあさんと一緒に暮らすの
じゃ。この人は、明神さまの友だちじゃ」
「きよ、よろしく」
おばあさんが、にこにこしながらいいました。


         つづく