2019-05-24 火とぼし山 童話 [童話]火とぼし山 火とぼし山 91 新しい出発 20 「夜遅くにもうしわけない。これから、きよ を静岡の知り合いまでつれていってほしい」 「えっ、きよを、静岡へつれていくのですか」 手長が驚いて聞きました。 「そうじゃ。きよは、自分の名前も、大好き だった次郎のことも、何もおぼえていない。 記憶がなくなってしまったきよを、ここへお いておくわけにもいくまい。きよが生きてい ることを知ったら、次郎が何をするかわから ないしな」 明神さまがいいました。 つづく