鹿になった観音さま

[童話]鹿になった観音さま


鹿になった観音さま 3


すると、
甲賀三郎兼家が、通りかかりました。
三郎は、鹿狩りの名人。
毎日山へ行き、鹿狩りをしています。
三郎は、鹿だけでなく、うさぎやいのしし
などもとっていました。
三郎の家は、田畑や山林をたくさん持って
います。
村一番の金持ちでした。


「和尚さま。タケルとチハヤが、裏山でほ
えているが、どうかしたかね」
「三郎さ。ちょうどいい所へきてくれた。
すまんが、裏山をみてきてくれないか」
「和尚さま。タケルたちは、いつからほえ
ているのかね」


         つづく