鹿になった観音さま

[童話]鹿になった観音さま


鹿になった観音さま 5


「タケル、チハヤ。どうした」
三郎は、犬たちに声をかけました。
二匹の犬は、なきやみません。
ますますはげしくないています。
「どうしたのじゃ。近くに何かいるのだろうか」
三郎は、あたりをみまわしました。


「がさっ」
「ごそっ」
どこかで音がしました。
すると、
突然、目の前に、びっくりするような、大きな
鹿がとびだしてきました。
黄金色の美しい鹿でした。
鹿の体は、黄金のように、ぴかっぴかっと光っ
ています。


        つづく