日本武尊と明神さまの弓

[童話]日本武尊と明神さまの弓


日本武尊と明神さまの弓 16


「父上の名前は」
「影行天皇です」
「すると、そなたは、皇子なのじゃな。名前は」
日本武尊といいます」
「そうか」
老人は、しばらく何か考えているようでした。
「この弓は、わしがこの世で一番大切にしてい
るもの。そなたを信じて、弓を貸してあげよう」
「ほんとうですか。ありがとうございます」


次の朝。
たけるは、老人が大切にしている弓を借りて、
越後へ向かって旅立ちました。
越後へついたたけるは、賊がたてこもっている
城を攻めました。
普通の弓では、高い山の頂にある城まで矢が届
きません。


         つづく