じいじとせみ

[童話]じいじとせみ


じいじとせみ 4


ぼうやは、大きなすんだ目をしていました。
「元気で丈夫な、心のやさしい子に育って
ほしい」
じいじは、そう思いました。
ばあばは「元気な男の子が生まれてよかっ
たね」といいました。


じいじは、あきもせず、ぼうやの顔をじっ
とみています。
ぼうやのもみじのような小さな手に、自分
の指をからませ、ぼうやにいろいろ話しか
けました。
ぼうやはじいじの顔を見て、にっこり笑い
ました。
あどけないほほえみでした。


        つづく