お月さまの耳かざり

[童話]お月さまの耳かざり


お月さまの耳かざり 1


かなは、お月さまが大好き。
よちよち歩きの頃から、小さな手をあわせ、「あん」
と、おじぎしていたそうです。


秋のある日の夕方。 
かなは、柴犬のりゅうと、散歩に行きました。
りゅうは、散歩が大好き。
かなの顔をみると、「散歩にいこう、散歩にいこう
よ」と、さいそくします。


かなとりゅうは、いつもの道を走ったり、ゆっくり
歩いたり、休んだりしながら散歩しました。
細い道の両側には、かりとったばかりの黄金色の稲
が、はざにかけてありました。
はざのまわりを、赤とんぼが飛んでいます。


        つづく