黄金色のまゆ玉

[童話]黄金色のまゆ玉


黄金色のまゆ玉 18


友だちは、何度も何度も頭をさげ、明神さまに
お願いしました。
明神さまは困ってしまいました。
「じゃあ、こどもの病気がなおったら、すぐま
ゆ玉を返しておくれよ」
「もちろん。こどもが元気になったら、すぐま
ゆ玉を返すよ」
近いうちにまゆ玉をかしてもらえることになっ
た友だちは、うれしそうに家へ帰っていきました。


それから、しばらくして、明神さまは二つ目の
黄金色のまゆ玉を授かりました。
でも、明神さまの心は、複雑でした。
「次のまゆ玉を授かったら、まゆ玉をかしてあ
げる」と奥さんと約束をしていたし、友だちに
もまゆ玉をかしてあげると約束していたからです。


          つづく