黄金色のまゆ玉

[童話]黄金色のまゆ玉


黄金色のまゆ玉 21


「まゆ玉のことはともかくとして、私は寒いの
が大嫌い。今までずっとがまんしていたけれど、
ここは日が沈むのも早いし、とても寒い。こん
な寒い所には、これ以上住めないわ。私は、湖
の向こう側の日がよくあたる場所へいって暮ら
したいの」
そういうと、奥さんはさっさとしたくをして、
湖の向こう側へ行ってしまいました。


そして、明神さまが何度迎えに行っても、奥さ
んは帰ってきませんでした。
「私、この下諏訪の地が気にいったわ。朝も早
くから太陽の顔をみることができるし、上諏訪
のやしきよりずっと暖かい。それに、このごろ
温泉もわきでるようになったし。だから、私は
ずっとここでくらすつもりよ」


         つづく