開善寺の早梅の精

[童話]開善寺の早梅の精


開善寺の早梅の精 8


女の人は、「昔の美しかった花のおもかげま
で、この梅には残っているようです」と、よ
んだのでしょうか。


「すてきな歌ですね。ところで、あなたの名
前は?」
「梅香といいます」
「梅香さんですか。あなたは、この梅のよう
に美しいかたじゃ」
「美しいだなんて・・・。あなたの名前は?」
「わしの名前は、埴科文次。さむらいじゃ」
「文次さんですか。文次さんこそ、いい歌を
よまれる」


        つづく