「ライオンめざめる」の裏表紙


もうすぐ、「鳥影社」から、みほようこの四冊目の童
話集・「ライオンめざめる」が、発売になります。



   鳥影社のホームページ


http://www.choeisha.com/









   童話集「ライオンめざめる」


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu4.html




今日は、「ライオンめざめる」の裏表紙の絵を、
紹介します。




  「花のほほえみ」より  「ライオンめざめる」裏表紙の絵



「ライオンめざめる」の裏表紙の絵は、「笛の
音よ、永久にひびけ」の挿絵。



  童話「笛の音よ、永久にひびけ」より


一ヶ月後。
若者は、楓の木が立っていた丘の上で、コンサー
トを開きました。
協力してくれた村の人々や、楓の木が大好きだっ
たこどもたちのために、若者は楓の笛でいろいろ
な曲を演奏しました。



二百年もの間、村の人々を守ってくれた楓の木の
精が、その笛の中に宿っているような、清らかな
音色でした。
村の人々は、若者が奏でる清々しい笛の音に、時
間も忘れうっとりと聞きほれました。



こうして、切りたおされた楓の木は、一人の若者
によって、素敵な笛に生まれかわりました。
若者は、村の人々が帰った後も、いつまでもいつ
までも笛をふき続けました。
笛の音は、遠くふもとの村までひびきわたりました。



「若者よ、わしに新しい命を与えてくれて、ありが
とう。感謝しているぞー。わしはうれしいのじゃ。
わしはこの村が大好きじゃ。だから、このままずっ
とこの丘に住み続けるつもりじゃ」
楓の声が、どこからか聞こえてきました。



それから後、村の人々が丘へ登ると、どこからか美
しい笛の音が聞こえてくるそうです。
笛の音だけでなく、楓の木があくびをする音や、風
にゆれる葉の音も聞こえるそうです。