笛の音よ、永久にひびけ4
楓は、仲間たちのことが心配でたまりません。
「うわさでは、この森でスキー大会が行われるとか。
その会場を作るために、森の木をたくさん切るそうだ。
なぜ人間たちは私たちをみごろしにするのだろうか」
楓には、人間の気持がわかりませんでした。
「今年は、はっぱをつけることができないかもしれん
のぅ。いつ切りたおされるのだろうか」
楓は、不安な気持で毎日を過ごしました。
「楓のおじさん、この森の木が、みんな切られてしま
うって、本当?」
リスとかもしかがやってきて、聞きました。
「本当だよ。わしも切られてしまうことになった」
「えっ、楓のおじさんも?」
「ああ・・・わしもじゃ」
「森の木がなくなると、さみしくなってしまうね。わ
たしたちは、これからどこで暮らしたらよいのかしら」
「さあ・・・どこで暮らしたら良いかのぅ。
わしも、森の仲間たちのことが心配じゃ」
楓が、さみしそうにいいました。
つづく
童話「笛の音よ、永久にひびけ」は、みほようこ
の四冊目の本・「ライオンめざめる」に収録され
ています。
「ライオンめざめる」は、十月七日、「鳥影社」
から発行されました。
ヤフーブックス・楽天・アマゾンなど、インター
ネット書店でも、注文できます。
「鳥影社」のホームページからも、注文できます。