笛の音よ、永久にひびけ


  笛の音よ、永久にひびけ8


「今年は、葉をつけることができ
ないかもしれんのぅ。
いつ切りたおされるのだろうか」
かえでは、不安な気持で毎日を過
ごしました。



「かえでのおじさん、この森の木
が、みんな切られてしまうって、ほ
んとう?」
リスとかもしかがやってきて、聞き
ました。
「ほんとうだよ。わしも切られてし
まうことになった」
「えっ、かえでのおじさんも?」
「ああ・・・わしもじゃ」



「森の木がなくなると、さみしくな
ってしまうね。
わたしたちは、これからどこで暮ら
したらよいのかしら」
「さあ・・・どこで暮らしたら良い
かのぅ。
わしも、森の仲間たちのことが心配
じゃ」
かえでが、さみしそうにいいました。


            つづく



   昨日の分は、こちら


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091210#p1



   初めて読んでくださったかたへ


   笛の音よ、永久にひびけ1


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091203#p1




「笛の音よ、永久にひびけ」は、
スキー大会の会場をつくるために
きりたおされた、信州の志賀高原
の樹令200年の楓のお話。



童話「笛の音よ、永久にひびけ」
は、みほようこの四冊目の童話集・
「ライオンめざめる」に収録され
ています。