笛の音よ、永久にひびけ11
気がついた時には、楓は一メート
ルくらいの長さに切られていました。
そして、他の木と一緒に、高原の
ふもとへ運ばれました。
たくさんの木だったので、森の木
はそのまま何ヶ月も積まれたまま
でした。
雨が降ったり、風が吹いたりして、
どの木もだんだんに枯れていきま
した。
「私たちは、これからどうなるの
だろう。いつまで、こんな所にい
るのだろうか」
「なにかに利用してくれると、う
れしいのだが・・・」
「人間たちは、森の木を一本残ら
ず切ってしまった。
山くずれなどの災害がおきなけれ
ばよいがのぅ」
つづく
昨日の分は、こちら
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091214#p1
初めて読んでくださったかたへ
笛の音よ、永久にひびけ1
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091203#p1
「笛の音よ、永久にひびけ」は、
スキー大会の会場をつくるために
きりたおされた、信州の志賀高原
の樹令200年の楓のお話。
童話「笛の音よ、永久にひびけ」
は、みほようこの四冊目の童話集・
「ライオンめざめる」に収録され
ています。