ふしぎな鈴


   人はなくなると


   その人の魂は、どこへ行くのでしょうか?




おとうさんがなくなった夜のことです。
「リーン・リーン・コロンころん」
「リーン・リーン・コロンころん」
誰が鈴をふっているのでしょうか。
どこからか鈴の音が聞こえてきました。




まっくらな部屋の中で、柱時計の上だけが、明るく
きらきら輝いています。
よくみると、黄金色の鳥が、柱時計の上にとまって
います。みたことのない、美しい鳥でした。




「かなさん、私は遠い国からあなたのおとうさんを
迎えにきました。これから、おとうさんは遠い国へ
旅立ちます。おとうさんは、あちらの国で、かなさ
んとおかあさんのことを、ずっと見守っていますか
らね。では、これから出発します。かなさん、おか
あさんのことを、たのみますよ」




そういうと、黄金色の鳥は、おとうさんを背中にの
せて、どこかへとんでいってしまいました。
それはあっという間の出来事でした。
「黄金色の鳥は、あちらの国っていったけれど、あち
らの国ってどこにあるのかしら?」
かなは、「あちらの国」ということばが、気になりま
した。


  「ふしぎな鈴」朝顔エスカレーターの章より




「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の童話。
昨年九月、「鳥影社」から発行されました。
風の神様からのおくりものシリーズ3。



リーン・リーン・リーン…。
500年の時をへて、心やさしい小桜姫と現代の少女
を結ぶ、美しい鈴の音が聞こえる。
風の神様が、そっと教えてくれたお話。









      ふしぎな鈴裏表紙

 




http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu3.html



ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)

ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)