竜の姿をみた少女


竜の姿をみた少女15


「ほら、人間のこどもも、幼稚園や学校へ行くだろ。
それと同じような所じゃ。池の修行場へ行き、いろ
いろなことを学ぶと、体の色がだんだんに黒くなっ
てくる。何百年も修行をすると、体の色が灰色にな
ってくるのじゃ。さらに修行をつむと、蒼色になる」



「おじいさん。蒼色の次は、どんな色になるの」
「わしのような色、あさぎ色になるのじゃ。あさぎ色
になるには、長い間きびしい修行をしなくてはならな
いのだよ」

「どの竜も、体の色が次々に変わるのですか」
「いや、中には、ずっと黒いままの竜もいる。どのく
らい修行をしたかによって、体の色が変わってくるの
じゃ」
「おじいさん。最後は、どんな色になるの」
「最後の色か。かなは、いろいろなことに興味がある
のだね」
「とうちゃんに、竜のことを話してあげようと思って」


つづく


「竜の姿をみた少女」は、みほようこの二冊目の
童話集・「竜神になった三郎」の続編。



竜神になった三郎 風の神様からのおくりもの (2)

竜神になった三郎 風の神様からのおくりもの (2)



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