竜の姿をみた少女12
かなは、おじいさんのことを、みんな
に聞いてみました。
「私、白い着物をきたおじいさんなん
て、一度もみたことがないわ」
「ぼくも、みたことがない」
「私も」
「かなちゃん。この村には、長い杖を
ついたおじいさんなんて、一人もいな
いよ。どこのおじいさんかな」
みんなそういいます。
「じゃあ、私だけ、あのおじいさんを
みているのかしら」
かなは、ふしぎに思いました。
八月末のある日。
むし暑い日でした。
かなは、湖のほとりで、またおじいさ
んに会いました。
「暑いのぅ」
そういいながら、おじいさんはかなの
横に腰をおろしました。
つづく
童話「竜の姿をみた少女」は、童話
「竜神になった三郎」の続編。
童話「竜神になった三郎」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜神に
なった三郎」に収録されています。
童話「竜神になった三郎」
http://www.geocities.jp/dowakan/saburou1.html
童話集「竜神になった三郎」
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu2.html
http://www.bk1.co.jp/product/2434727