黄金色のまゆ玉


    黄金色のまゆ玉4


「明日の夜は、明神さまの行き先をちゃんとつき
とめようぜ」
青年たちは、何日も明神さまのあとをつけました。
しかし、いつも明神さまの姿を見失ってしまいま
した。




二月初めのある夜。
青年たちは、今夜も明神さまの後をつけていました。
湖の真ん中あたりまできた時、「ばりばりっ、みしっ」
という大きな音がして、氷がわれはじめました。
「わぁー!」
「気をつけないと、湖へ落ちるぞ」
青年たちは、おもわず後ずさりしました。




そうしている間に、その夜も明神さまをみうしなって
しまいました。
「今夜こそ、行く先をつきとめられると思ったのに、
残念だったな」
「それにしても、あぶないところだった。こんな寒い
夜湖に落ちたら、しんぞうまひで死んでしまうぞ」
青年たちは、とぼとぼと家に帰りました。


     つづく