黄金色のまゆ玉


    黄金色のまゆ玉11


「でも・・・あのかたは、もう一つ黄金色のまゆ玉
がほしくなって、私にまゆ玉をかしてくれないので
はないかしら」
奥さんは、なぜかそう思いました。女のかんです。



そんなある日。
ひさしぶりに、遠くの国から友だちが訪ねてきました。
友だちには、こどもが一人います。そのこどもが、重
い病気にかかり、今にもしにそうでした。
「明神や、おまえに頼みたいことがある。聞いてくれ
るか」
「頼みたいことって、なんじゃ」



「明神よ、わしのこどもを助けてほしい。おまえが持
っている黄金色のまゆ玉を手にすると、どんな病気で
もなおるというではないか。そろそろ次のまゆ玉が授
かるころだね。次のまゆ玉が授かったら、そのまゆ玉
を、しばらくわしのこどもにかしてほしい。なあ、頼
む。明神」


    つづく