黄金色のまゆ玉

[童話]黄金色のまゆ玉


黄金色のまゆ玉 17


「明神よ、わしのこどもを助けてほしい。おま
えが持っている黄金色のまゆ玉を手にすると、
どんな病気でもなおるというではないか。そろ
そろ次のまゆ玉が授かるころだね。次のまゆ玉
が授かったら、そのまゆ玉を、しばらくわしの
こどもにかしてほしい。なあ、頼む。明神」


「そういわれてもな。実は、次のまゆ玉が授か
ったら、妻にかしてあげると約束してしまった
のじゃ」
「そのまゆ玉を、ゆずってくれといっているわ
けではない。こどもの病気がなおるまで、かし
てほしいとお願いしているのだ。な、頼む。こ
のとおりだ」


         つづく