ふしぎな鈴「小桜姫とふしぎな鈴」


ふしぎな鈴「小桜姫とふしぎな鈴」4


姫は一つ・二つ・三つ…と、花を数えはじ
めました。
しかし、たくさんすぎて、幼い姫には数え
ることができませんでした。



「ねえ、おとうさま。花はいくつぐらい咲
いているの?」
「ニ百ぐらいは咲いているだろう」
おとうさんはうれしそうにいいました。



姫が七才になった春のある日。
庭の桜が満開になりました。
例年になく、美しい桜でした。
「今年の桜は、みごとじゃのぅ」
おとうさんはごきげんでした。



「姫、いいものをあげよう。
この鈴は、わが家に伝わっている鈴だよ」
おとうさんは木箱に入った二つの鈴をくれ
ました。
その鈴は、諸国を旅していた坊さんが、大
江家に泊まった時、お礼にくれたものでした。
「この鈴を、大切にするように」
そういって、坊さんは立ち去ったそうです。


           つづく



「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の本。
信州諏訪の「風の神様」から聞いたお話。



「ふしぎな鈴」は、2005年9月、
「鳥影社」から発行されました。










    ふしぎな鈴


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu3.html




http://www.bk1.jp/product/02593627