ふしぎな鈴「かな生まれる」


 ふしぎな鈴「かな生まれる」2


「かっこう、かっこう」
五月末になると、裏の林へかっこうがやっ
てきます。
かっこうは大きな声で一日中鳴いています。
「もうすぐ夏がくるのだな」
かっこうの声を聞くと、かなはそう思いま
す。



「ピーヒョロロ、ピーヒョロロ」
晴れた日には、とびが良い声で鳴きながら、
上空をまっています。



おとうさんは小鳥や花が大好きでした。
「かな、きてごらん。まゆみの木へ”おなが”
がきているよ」
庭へ小鳥がくると、おとうさんはかなをよび、
小鳥の名前を教えてくれます。
かなは、小鳥の名前や鳴き声を、自然におぼ
えました。そして、小鳥たちと仲よしになり
ました。


    この章おわり


次は、「じいちゃんとばあちゃん」の章です。



ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の本。


リーン・リーン・リーン…。
500年の時をへて、心やさしい小桜姫と
現代の少女を結ぶ、美しい鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっと教えて
くれたお話。



「ふしぎな鈴」は、2005年9月、
「鳥影社」から発行されました。
挿絵は、長野ひろかず先生。








http://www.bk1.jp/product/02593627