ふしぎな鈴「お月さまの耳かざり」


ふしぎな鈴「お月さまの耳かざり」2


どのくらいの時間がすぎたのでしょうか。
気がつくと、あたりはうす暗くなっていま
した。
うす暗くなった道を、かなとりゅうは、家
にいそぎました。



長い坂道をのぼり、平らな道にでた時、空
にはもうお月さまがでていました。
今日のお月さまは細い三日月です。
その時、お月さまにむかって、きらっきらっ
と光りながら、星が近づいてくるのをみつけ
ました。



その星はだんだんにお月さまに近づいてきます。
あの星はたしか金星、よいの明星とか明けの
明星とかよばれている星です。
「お月さまと星が、衝突するのではないかしら」
かなは心配になりました。



「あっ、たいへん!」
かなが大声でさけんだ時、お月さまの耳のあた
りに、金星がぴたっとつきました。
「わぁー、お月さまの耳かざりみたい。
すてきだわ。私もあんな耳かざりがほしいなぁ」


        つづく



ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の本。


リーン・リーン・リーン…。
500年の時をへて、心やさしい小桜姫と
現代の少女を結ぶ、美しい鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっと教えて
くれたお話。



「ふしぎな鈴」は、2005年9月、
「鳥影社」から発行されました。
挿絵は、長野ひろかず先生。











「校長先生と桜の鈴」の章の挿絵 (裏表紙)





http://www.bk1.jp/product/02593627