きよと清太と、そして白駒


 きよと清太と、そして白駒79


「ぱか、ぱかっ、ぱか」
どこからかひずめの音が聞こえてきま
した。
「ひひーん」
「ひひーん」
「おや? あの声は、たしか白駒の声・・・」



すると・・・。
湖面に、白駒の背にのった清太の姿が
あらわれました。
はてしなくつづく草原を、清太がさっ
そうと走っています。
「清太さーん。私よー」
きよは、大声でさけびました。
でも・・・清太からは何の返事もあり
ません。


              つづく



信州の佐久地方には、「白駒の池」と
いう美しい湖があります。
その湖には、「白駒の池」という悲し
い伝説があります。



「きよと清太と、そして白駒」は、そ
の伝説をヒントにして、みほようこ
書いた物語。