きよと清太と、そして白駒


  きよと清太と、そして白駒80


「きよ。清太の姿をみることができて、
よかったね。さみしくなったら、この
湖へきなさい」
どこからか、女神さまのやさしい声が
聞こえてきました。



「女神さま。清太さんの元気な姿をみ
せていただきありがとうございました。
家にもどり、自分の使命をはたすよう
にがんばります」
きよは、女神さまにお礼をいいました。


 
「清太さーん。さようなら。私のこと、
忘れないでねー」
きよが、そうさけんだ時、真っ赤に紅
葉したもみじの葉が、一枚湖に落ちま
した。
そして、もみじの葉は、湖の中に静か
に消えていきました。



「きよ。あなたがこちらの国にもどって
くる日を、待っていますよ」
きよは、女神さまの声を聞きながら、家
路につきました。



「きよちゃーん。こちらの国へもどって
くる日を、首を長くして待っているよー。
元気でねー」
どこからか清太の声が聞こえてきました。

 
               おわり



長い間、「きよと清太と、そして白駒」
を読んでいただきありがとうございま
した。
おおぜいのかたに読んでいただき感謝
しております。ありがとうございました。



信州の佐久地方には、「白駒の池」と
いう美しい湖があります。
その湖には、「白駒の池」という悲し
い伝説があります。



「きよと清太と、そして白駒」は、そ
の伝説をヒントにして、みほようこ
書いた物語。