笛の音よ、永久にひびけ


  笛の音よ、永久にひびけ5


かえでが冬のねむりからさめた、春
のある日。
「この木も、じゃまだー」
「あの木も、じゃまだぞぉ」
「えーい、めんどうだ。
あの木もこの木も、みんな切って
しまえー」



風にのって、人間たちの声が聞こ
えてきました。
その声は、なげやりでらんぼうな
声でした。
「仲間の木が、切られてしまうの
だな」
かえでは、さみしく思いました。



「まさか、丘の上のわしの所まで
はこないだろう」
かえでは、安心していました。
ところが・・・。
人間たちが、丘の上までやってき
たのです。


           つづく



    昨日の分は、こちら


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091207#p1



   初めて読んでくださったかたへ


   笛の音よ、永久にひびけ1


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091203#p1




「笛の音よ、永久にひびけ」は、
スキー大会の会場をつくるために
きりたおされた、信州の志賀高原
の樹令200年の楓のお話。



童話「笛の音よ、永久にひびけ」
は、みほようこの四冊目の童話集・
「ライオンめざめる」に収録され
ています。