風の神様からのおくりもの19
ある日、おかあさんは、まゆ玉の
上の方が、黄金色になっているの
に気がつきました。
七月のある日の朝。
まゆの部屋に入ったおかあさんは、
「あっ」と大声をあげました。
ねがえりすらうてないまゆが、部
屋の中をはいはいしていたのです。
おかあさんは、夢をみているので
はないかと思いました。
でも、夢ではありません。
まゆがはいはいして、おかあさん
の胸の中にとびこんできたのです。
「まゆ、よかったねー。おめでとう。
やっとはいはいができるようになっ
たのね」
おかあさんの目から、大粒の涙がは
らはらとこぼれました。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100524#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100507#p1
「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこの初めての童話集・
「風の神様からのおくりもの」に
収録されています。
心を病む兄のために、明神様にお参
りする心優しい少女の話など4編。
信州諏訪の「風の神様」から聞いた
お話。
挿絵は長野博一先生。
心温まる創作童話。
童話集「風の神様からのおくりもの」