瑠璃寺の青獅子


   瑠璃寺の青獅子10


「わしは、今まで、いくつもの
仏像を彫ってきた。
だから、獅子頭だって彫れる」
男は、自分の心に、強くいいきか
せました。



道具の手入れが終わると、寺へ
行き、祭につかう獅子頭をみせ
てもらいました。
そして、和尚から、獅子舞の様
子を聞きました。



「たった一本の手綱で、屋台と
獅子をたくみにあやつっている
のは、宇天王なのじゃ」
「屋台といいますと?」



「瑠璃寺の獅子舞は、屋台を使
っている。
大きな木の枠に車輪をつけ、竹
で幌の骨組みをつくる。



そして、その上に、幌をかける
のじゃ。
屋台の長さは、約七メートル。
幅は、約二メートル。
高さは、二メートルくらいある
かのぅ」


            つづく



    前回の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20101013#p1



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20101005#p1



「瑠璃寺の青獅子」は、信州の伊
那谷にある「瑠璃寺」に伝わって
いる話をヒントにして、みほようこ
が書いた物語。


物語の無断転載・再配布を禁止し
ます。